東京大学医科学研究所附属病院

外科<メンバーが新しくなりました!>

科長 志田 大科長
志田 大
SHIDA DAI

みなさま、はじめまして。2020年9月に着任しました志田大です。
 消化器癌の治療を専門とし、その中でも大腸がんの手術療法を得意としています。
 大腸癌は、手術前にきちんと検査をして、進行具合に応じた適切な手術を行えば、たとえ進行癌であっても7割以上の患者さんを完全に治癒させることが可能とされています。私たちは、日本内視鏡外科学会の技術認定医として、身体に負担の少ない手術を積極的に行っております。また、がんを十分に切除できると判断した場合は、手術後のQOL(生活の質)を少しでも向上させるため、自律神経温存手術はもちろん、積極的に肛門温存できる術式を選択しています。2021年4月からは直腸がんに対するロボット手術も始めました。
 当科では、胃がん(胃癌、胃GIST)も積極的に治療しています。胃がんの腹腔鏡下手術を得意とする愛甲丞准教授がおり、縮小手術に積極的に取り組み、根治性を損なうことなく患者さんにとって優しい手術を行うように心がけています。
スタッフ一同、病状に応じた最適な治療法を提案し全力を尽くして治療を行いますので、何卒よろしくお願いいたします。

当科の診療方針

当科の診療方針

当科の診療方針

当科の診療方針

ERASに関する志田医師への取材記事は以下へ(外部サイトにリンクします)
https://gakken-mesh.jp/info/wp-content/uploads/2014/06/OJ20140620N117-120O.pdf

対象疾患

大腸癌
 大腸ポリープ、遺伝性大腸癌(リンチ症候群、家族性大腸腺腫症)
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
肛門疾患
胃癌
急性腹症(虫垂炎、大腸憩室炎など)
外科一般(胆石症、鼠径ヘルニアなど)

HIV感染症の外科治療も積極的に行っています。

大腸癌の解説動画

動画:大腸がん 進行がんでもきちんと治療すれば治る可能性が高い!〜志田 大(外部サイトにリンクします)

治療方法

上記対象疾患に対して、
 ●手術
 ●内視鏡的治療
 ●薬物療法(抗がん剤)
で治療します。

当科での大腸癌および胃癌の腹腔鏡手術に関しては、すべて、経験豊富な日本内視鏡外科学会の技術認定医が責任を持って行います。

大腸癌の治療の解説動画

動画:大腸がん〜大腸がんの外科的な治療と薬物療法〜志田 大・吉野 孝之(外部サイトにリンクします)

直腸がんに対するロボット手術(daVinci)

直腸がんに対するロボット手術(daVinci)

 ロボット支援腹腔鏡下直腸切除・切断術に関して、当院は「施設認定」を2021年4月に受けました。それにより、通常の保険診療としてロボット手術を開始しています。
対象は、大腸がんの中でも、直腸がん(直腸癌、直腸カルチノイド<神経内分泌腫瘍>、直腸GIST)です。


 ロボット手術は、腹腔鏡手術をロボット支援下に行うもので、外科医がロボットを操作します(ロボット自身が勝手に手術するわけではありません)。高画質で立体的な3Dハイビジョンの下、複雑に曲がる関節を持つロボットを用いることで、より繊細で精密な手術が可能となり、今までの腹腔鏡手術の利点をさらに向上させると考えられています。

内視鏡腹腔鏡同胃局所切除術

胃癌・胃GISTの手術治療:「患者さんに優しい手術」を目指して

当院では、日本内視鏡外科学会の技術認定医である手術経験豊富な医師を中心に、胃癌や胃GISTの手術治療を行っています。腹腔鏡手術や縮小手術に積極的に取り組んでおり、根治性を損なうことなく患者さんにとって優しい手術を行うように心がけています。

胃癌の手術治療

胃がんとは?

・胃癌とは?
 胃癌は胃の粘膜から発生した悪性の腫瘍です。早期癌の場合は、症状が無い場合も多く検診の胃カメラなどで発見されます。胃癌の進行により胃の内腔が狭くなり食物の通過が妨げられると腹満感や吐き気や嘔吐などの狭窄症状が、また出血すると黒い便や貧血の症状が認められます。ほとんど症状がない場合もあります。

胃がんとは?

 胃癌は胃の壁の一番内側、粘膜から発生し、横方向に広がると同時に深い方向に広がります。進行するにしたがって、近くのリンパ節から遠くのリンパ節へと転移が広がったり、血流にのって肝臓や肺など他の臓器に転移することがあります。また腹膜播種といって胃の表面から腹腔内に癌細胞が散布されるように広がることもあります。


・胃癌の治療
 ほぼ粘膜にとどまる癌であれば、リンパ節や他の臓器へ転移することが少ないため、内視鏡(胃カメラ)治療の対象になりますが、粘膜下層まで広がるとリンパ節転移のおそれが出てくるため、周囲のリンパ節を含めた外科的な切除手術が必要となります。他の臓器に転移したり腹膜播種がある場合は、化学療法(抗癌剤)を行います。

・胃癌の手術治療
 癌の部分と胃周囲のリンパ節を一緒に切除(郭清)する必要があります。切除する胃の範囲によって噴門側胃切除術、幽門側胃切除術、胃全摘術、局所切除などがあります。癌のできた場所と広がり方によって決まります。一般的には周囲のリンパ節を廓清するために癌の部分より広範囲の胃を切除することになります。

残せる胃は残す縮小手術

 医科研病院外科では、出来る限り「残せる胃は残す」方針で手術の方法を選択しています。
 胃の手術では、手術後に食事量が制限されるため、体重の減少や体力の衰えにつながります。これまでは胃全摘や幽門側胃切除術が標準手術とされてきました。しかし、最近は病状によってはもっと胃を残した手術(縮小手術)でも癌の切除としては十分であり、胃を残した方が食事量も増えるということわかってきました。具体的には、胃の出口(幽門)側を残し、胃の入口(噴門)側を切除する噴門側胃切除や、幽門も噴門も残す幽門保存胃切除などがあります。切除範囲の決定や実際の手術には、経験と技術を要するため、一般的に広く行われている手術ではありませんが、当院では経験豊富な上部消化管専門の医師が責任をもって担当します。それでも胃の手術後は、やはり胃が小さくなることで、食事の量が減少しますので、術後の栄養療法が大事になります。医師だけでなく、管理栄養士や看護師とチーム医療で患者さんをサポートしていきます。

・胃癌のアプローチ:傷の小さな腹腔鏡手術

傷の小さな腹腔鏡下胃切除術

 従来は胃癌の手術はお腹を大きく切る開腹手術が一般的でした。当院では、傷の小さな腹腔鏡手術などの低侵襲手術に積極的に取り組んでいます。傷が小さいので痛み少なく、術後の癒着なども起こりにくいとされています。胃の切除範囲やリンパ節の廓清範囲は開腹手術と同じであり、細かい血管などの解剖も拡大して見えるため判断しやすいというメリットがあります。
 現在、早期胃癌についてはガイドラインでも腹腔鏡が推奨されており、安全で癌の根治度も変わらないとされています。進行癌では安全性や根治性が議論されている段階ですが、海外からは既に開腹手術と変わらないという報告が多くされています。当院では内視鏡外科技術認定医が手術を執刀することで治療効果や安全性を確保しつつ、進行胃癌に対しても腹腔鏡手術に積極的に取り組んでいます。

・治療に要する期間
  治療に要する期間は、初診から退院までがおよそ1か月です。初診日から手術までが約2週間お待ちいただいています。胃カメラやCT、心電図、レントゲン、採血などの検査を外来で行います。他の病気などがなければ2~3回程度の受診で手術前の検査が終了します。手術の1~3日前に入院し、手術後は経過が順調ならば1~2週間で退院となります。但し、病状によっては手術後に化学療法が必要になりますし、食事の量が安定するまでは半年~1年かかることも多いです。

胃粘膜下腫瘍、胃GISTの手術治療

胃胃粘膜下腫瘍、胃GISTの手術治療

・胃粘膜下腫瘍とは
 胃粘膜下腫瘍とは胃の粘膜より下の部位から発生した腫瘍の総称です。組織学的には、良性腫瘍である平滑筋腫や神経鞘腫、異所性膵、悪性腫瘍の平滑筋肉腫や悪性神経鞘腫、中間型~悪性腫瘍とされる消化管間質腫瘍(GIST)など様々な病気が含まれます。手術前に病理検査で診断がつく場合もありますが、切除してはじめて診断がつく場合もあります。胃GIST(消化管間質腫瘍)は胃粘膜下腫瘍でよくみられる悪性腫瘍の一つです。進行すると、血流にのって肝臓や肺など他の臓器に転移したり腹膜播種といって腹腔内に腫瘍細胞が散布されるように広がることもあります。
  悪性が疑われるような場合や腫瘍が大きい場合は、手術で切除します。

・胃粘膜下腫瘍、胃GISTの手術
 およそ5㎝以下の腫瘍であれば腹腔鏡手術、それ以上であれば開腹手術が行われます。
 胃粘膜下腫瘍は悪性であっても周囲のリンパ節に転移しないことが知られており、腫瘍だけをとる局所切除で十分なことがほとんどです。腫瘍の位置や広がり方、他の臓器への浸潤の有無によっては、幽門側胃切除や噴門側胃切除、胃全摘などの胃切除術や周囲の臓器の合併切除が必要な場合もあります。

・内視鏡腹腔鏡同胃局所切除術

内視鏡腹腔鏡同胃局所切除術

 当院ではなるべく切除する範囲を小さくして多くの胃を残すように工夫しています。内視鏡と腹腔鏡の両方を用いることで胃の内側と外側の両方から腫瘍を確認して、必要最小限の範囲で胃を切除します。腹腔鏡内視鏡合同胃局所切除術には、LECSやCLEAN-NETなどと呼ばれるいくつかの方法がありますが、腫瘍の状態に応じて最適な方法を選択するようにしています。当院では内視鏡外科技術認定医が腹腔鏡手術を担当し、消化器内視鏡学会専門医が内視鏡治療を担当しています。

・治療に要する期間
 治療に要する期間は、大きな胃粘膜下腫瘍の場合は、胃癌の場合とほぼ変わりありませんが、腫瘍が小さく局所切除術できた場合は、手術後1週間程度で退院できます。また、手術後の食事量もほとんど変わらないという方も多いです。腫瘍の種類や状態によっては退院後に化学療法を行う場合があります。

インタビュー記事紹介

大腸がんに対する様々な疑問に対して志田教授が答えるインタビュー記事を紹介します。
(外部サイトへリンクします)

外来担当医表

曜日
AM
PM
AMPMAMPMAMPMAMPMAMPM
担当
医師
釣田
志田 釣田 志田
釣田
阿彦(※1)
田原 志田 愛甲
阿彦(※1)
志田
阿彦(※1)
釣田
田邊
志田
田邊

※1 女性医師

新患患者は、指定がなければすべて、志田(教授)が診察します。
※ 癌による腸閉塞や腹膜炎など緊急での治療(手術)や入院が必要な場合も、積極的に受け入れております。緊急の治療が必要な場合には、担当窓口を通じて志田まで電話でご連絡下さい。担当日以外でも可能な限り対応いたします。

スタッフ

志田 大 (しだ だい)

志田 大

教授

専門領域

大腸癌の治療、特に低侵襲手術(腹腔鏡、ロボット)

認定医・専門医等

日本外科学会指導医・専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医、日本がん治療認定医機構認定医 、消化器がん外科治療認定医、日本消化管学会胃腸科専門医・認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
障害者福祉法指定医(直腸障害・小腸障害)

愛甲 丞 (あいこう すすむ)

志田 大

准教授

専門領域

上部消化管の腹腔鏡、ロボット手術。特に胃癌、GISTの低侵襲手術。

認定医・専門医等

日本外科学会専門医、日本消化器外科学会指導医・専門医・消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構認定医、日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
日本内視鏡外科学会 技術認定医・ロボット支援手術認定プロクター・評議員
日本肥満症治療学会 評議員、日本消化器癌発生学会 代議員

釣田 義一郎 (つりた ぎいちろう)

釣田 義一郎

講師

専門領域

消化器外科学、消化器内視鏡学、大腸肛門病学、集学的がん治療

認定医・専門医等

日本外科学会指導医・専門医 、日本消化器外科学会指導医・専門医 、日本消化器内視鏡学会指導医・専門医 、日本大腸肛門病学会指導医・専門医、日本がん治療認定医機構認定医、消化器がん外科治療認定医、障害者福祉法指定医(直腸障害・小腸障害)

阿彦 友佳 (あひこ ゆか)

阿彦 友佳

助教

専門領域

消化器外科学

認定医・専門医等

日本外科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医

田邊 太郎 (たなべ たろう)

田邊 太郎

助教

専門領域

大腸・胃の外科治療、炎症性腸疾患、肛門疾患

認定医・専門医等

日本外科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医

黒川 友博 (くろかわ ともひろ)

黒川 友博

医員(非常勤・月)

専門領域

消化器外科学、消化器内視鏡学

認定医・専門医等

日本外科学会専門医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医、消化器がん外科治療認定医、日本消化管学会胃腸科専門医・暫定指導医、日本抗加齢学会専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医

高橋 亮 (たかはし りょう)

医員(非常勤)

専門領域

炎症性腸疾患、消化器内視鏡学


スタッフ