ゲノム診療科・ゲノム診療部

診療科・部長 古川洋一（併任）

ゲノム診療科は、遺伝や遺伝子が関与するさまざまな病気や問題について、悩みやご心配がある方々に、遺伝学の知識とゲノム情報をもとに適切な医療と情報を提供致します。診療内容としては、１）遺伝カウンセリング、２）遺伝性のがん患者とその家族のサーベイランス、３）ゲノム・遺伝子診断を行っています。
遺伝カウンセリング外来は、遺伝学の専門知識を持つ医師が担当しています。ご自身が病気でなくとも、遺伝病の体質を受け継いでいるかどうかのご相談や、ご家族の遺伝に関する悩みなど、広くご相談に対応しております。同時に臨床心理士、看護師と協力し、心理面のサポートも行っています。個人情報には特に配慮していますので、安心してご相談いただけます。遺伝性のがんの診療では、遺伝性非ポリポーシス大腸癌（またはリンチ症候群）やポイツ・イェーガース症候群、家族性大腸腺腫症（またはガードナー症候群）の患者さんやその家族のサーベイランスを行っています。ゲノム・遺伝子診断は遺伝性非ポリポーシス大腸癌などの遺伝病の診断の他、がんにおけるゲノム・遺伝子解析も行っています。ただし、ゲノム・遺伝子解析の前には、必ず遺伝カウンセリングをお受けいただいています。
診療には予め電話予約が必要です。ご相談のある方は、遺伝カウンセリング外来あるいは遺伝性大腸がん外来ホームページをご覧いただき、お気軽にご連絡下さい。

診療分野

遺伝カウンセリング（遺伝相談）
遺伝性腫瘍や遺伝性大腸がん（相談とサーベイランス）
がんゲノム解析（検査と相談）
ゲノム・遺伝子診断および遺伝子関連検査（遺伝学的検査・がん遺伝子検査など）

対象疾患

遺伝カウンセリング外来：（1）遺伝性乳癌・卵巣癌、家族性大腸腺腫症、遺伝性非ポリポーシス大腸がん、Peutz-Jeghers症候群、多発性内分泌腫瘍症候群、von Hippel-Lindau病などの遺伝性の癌（家族性腫瘍）、（2）脊髄小脳変性症・筋ジストロフィーなどの神経・筋疾患、（3）軟骨無形成症・マルファン症候群などの骨系統・結合組織疾患、（4）遺伝性糖尿病、ヘモクロマトーシス、Gaucher病などの代謝疾患、（5）QT延長症候群・特発性心筋症などの循環器疾患、（6）ファンコニー貧血・血友病などの血液・凝固系疾患、（7）Hirschsprung病、遺伝性高ビリルビン血症など、（8）ダウン症、ターナー症候群、クラインフェルター症候群など染色体異常を伴う疾患、（9）難聴、ミトコンドリア病、色覚異常、白皮症などその他の遺伝の関わる疾患、（10）近親婚など。
＊妊娠中の胎児に対する出生前診断は行っていません。

専門・特殊診療、得意分野

（1）遺伝カウンセリング外来
当外来では遺伝子検査をご希望される方に、遺伝カウンセリングの後に遺伝子検査を提供致します。提供できる遺伝子検査は限られています。また、遺伝カウンセリングを受けた方全員が検査を受ける訳ではありません。検査費用は自費となります。

（2）遺伝性大腸がん（家族性大腸がん）の診療
“自分が遺伝的に大腸癌に罹り易いのでは”と心配される人や、すでに遺伝性の大腸腫瘍と診断されている患者さんとその家族を対象とした診療を行います。専門の医師が適切な情報を提供するとともに、必要に応じて血液検査やCT、内視鏡検査などを実施します。また遺伝カウンセリング外来と連携して心理的なサポートや、必要に応じた遺伝子検査を提供致します。遺伝性大腸癌と診断された人や疑いの強い方々に対しては、若いうちから定期検診を開始して、がんの早期発見・早期治療に努めます。

（3）がんゲノム医療
がんゲノム解析を希望される方や、がんゲノム解析の結果でどのような医療が受けられるのか知りたい方の相談を受け付けております。がんゲノム解析に関しては、原則として治療を受けている病院でご相談いただいてからご相談ください。すべての希望者が保険診療で検査を受けられるわけではありません。すでにがんゲノム検査の結果をお持ち方の治療方針について、当院の腫瘍・総合内科や緩和医療・先端臨床腫瘍科と協力をして医療情報を提供いたします。

遺伝カウンセリング外来のご案内

遺伝カウンセリング外来は完全予約制です。予め下記の番号へお電話をいただき、予約をお取り下さい。その際に、ご相談内容や家族の情報をお伺いします。カウンセリングの対象とならない場合もあります。
電話番号：03-5449-5488
予約受付：月曜、火曜、および水曜、午後2:00〜午後5:00（休診日を除く）

受診受付
通常の外来受診と同じく、当研究所附属病院外来窓口においで下さい。窓口で遺伝カウンセリング外来の予約をお持ちである旨をお伝え下さい。
診察日：金曜　午後1:00〜午後5:00（完全予約制）

当院は厚生労働大臣が定める施設基準に適合し、保険収載された遺伝学的検査を保険診療として実施しています。またその結果を聞く際には、保険診療で遺伝カウンセリングを受けることが可能です。これ以外の遺伝カウンセリングは自由診療となり、健康保険は使えません。
自由診療での遺伝カウンセリングは、初診料 8,800円、再診料 4,400円です。
詳しくは遺伝カウンセリング外来ホームページをご覧下さい。

遺伝性大腸がん外来（家族性大腸がん外来）のご案内

遺伝性大腸がん外来は完全予約制です。予め下記の番号へお電話をいただき、予約をお取り下さい。
電話番号：03-5449-5524
予約受付：月曜および水曜、午後2:00〜午後5:00（休診日を除く）

受診受付
通常の外来受診と同じく、当研究所附属病院外来窓口においで下さい。窓口で遺伝性大腸がん外来の予約をお持ちである旨をお伝え下さい。
診察日：木曜　午後1:00〜午後5:00（完全予約制）
詳しくは遺伝性大腸がん外来ホームページをご覧下さい。

遺伝子診断・遺伝子関連検査について

ゲノム診療部では、遺伝学的検査や体細胞遺伝子検査などを含む遺伝子関連検査を提供しています。子孫に伝わる可能性がある遺伝学的情報を調べる遺伝学的検査は、日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」を遵守して提供いたします。検査を受ける際には、当院または他院で遺伝カウンセリング（遺伝相談）を受診する必要があります。また診療における遺伝学的検査は「遺伝学的検査の実施に関する指針」（日本衛生検査所協会）に従って、当院あるいは当院と契約をした検査所において行われます。外部に検査を依頼する場合は、住所・氏名・電話番号や生年月日などの個人情報が分からないように匿名化した番号をつけて依頼し、依頼者の個人情報が決して漏れないように厳重に管理しています。 診断不明の患者さんに対する網羅的あるいは探索的な遺伝子解析や、治療法探索のための体細胞遺伝子解析などの検査は、臨床研究として行っています。これらの検査を受けるためには研究参加への同意が必要ですので、対象となる研究の説明を受けてください。詳しくは、当診療部の遺伝カウンセリング外来予約窓口へご相談ください。

外来担当医表

こちらの外来担当医表をご覧ください。

スタッフ

リンク

• 遺伝カウンセリング外来
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