治療ベクター開発センター
医科学研究所附属病院は、基礎研究の成果を臨床の場へ展開するトランスレーショナル・リサーチの実践を使命の一つとしています。臨床試験に用いる試験薬はcGMP(current Good Manufacturing Practice: 医薬品の製造および品質管理に関する基準)と呼ばれる国際基準で製造されていることが必要となります。治療ベクター開発センターは、遺伝子細胞治療やがんに対するウイルス療法に使用するウイルス製剤のcGMP製造を行うために、大学や研究所としては国内最初の施設として、平成13年(2001年)に設置されました。製造施設の構造と設備は定期的なバリデーションによって、製造管理及び品質管理については体系的な標準作業手順書(Standard Operating Procedures, SOP)によって、cGMP製造が維持管理されています。外部機関による評価として、平成14年(2002年)以来、品質管理システムの国際規格であるISO9001の認証を取得しています。
本センターはベクターユニットとセルユニットから構成され、ベクターユニットは2室の製造室と1室の品質管理室(いずれも陰圧、清浄度クラス10,000、P2レベル)、セルユニットは2室の細胞操作室(陽圧、清浄度クラス10,000、P2レベル)を備えています。学内に限らず、学外アカデミアのプロジェクトの試験物のcGMP製造を支援できる体制をとっています。
特徴のある業務内容
- がんに対するウイルス療法及び遺伝子治療に使用するウイルスのGMP製造およびその支援
- ISO9001 : 2015 認証取得
スタッフ
藤堂 具紀 (とうどう ともき)
医師・教授・センター長(兼任)
専門領域
悪性脳腫瘍の手術、脳神経腫瘍学、ウイルス療法、遺伝子治療
認定医・専門医等
日本脳神経外科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医、日本遺伝子細胞治療学会理事、日本脳腫瘍学会理事、日本ウイルス療法学会理事長
田中 実 (たなか みのる)
医師・特任教授
専門領域
脳神経腫瘍学、悪性脳腫瘍の手術・放射線治療・免疫療法、ウイルス療法
認定医・専門医等
日本脳神経外科学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医、日本ウイルス療法学会理事